村林由貴
この方の名前を覚えていらっしゃる方は、私のブログを相当読みこなされてる方です。
我が家の旧居の玄関の壁に、30号ほどのカエルのポップな絵が飾ってあり、その作者なのです。
彼女は私の学生時代の1年時の3年生のテニス部の先輩のお嬢様。
絵画の才能に優れ、いろんな書物や雑誌にも登場しています。
その先輩から、先日大きなカタログが送られてきました。
中身は何と彼女が11年かかって、76面の襖絵「五輪之画」を完成させたもののカタログだったのです。
タイトルは『村林由貴が描く禅の世界』で、文芸春秋の記事も同封されていました。
京都妙心寺の退蔵院・壽聖院で、今年の12月24日(土)~来年1月9日(月)まで拝観できるとのこと。
これは、現代の京都が古くからの芸術で支えられていて、そのままでよいのかという疑念から、今後100年、200年後に残る作品を作ろうとの「退蔵院襖絵プロジェクト」から始まりました。
多数の公募から彼女が選ばれ、寺社に住み込みながら描いていったのです。
このプロジェクトで彼女は水墨画を始めました。
それまでは、我が家にあるようなポップな色彩の強いものが好きだったようです。
先ず「禅」とは何ぞやから入り、その上で何を描くかを決めます。
完成まで11年を要しましたが、それを完成させるまでの彼女の精神力を想像できません。
文芸春秋の記事を読みますと、何度も壁にぶち当たり、深く悩んだようです。
我が家の絵は、当時迷いが出ていて、気分転換に書いたとのこと。
私の要望は「2と8。それに黄色(金色)と赤」というものでした。
全てが私のラッキーナンバーと色だったのです。
遠くに山々を見ながら大きな草原で風呂敷を広げてピクニックをしているカエルの絵です。
如何にも幸せな自然の中の家族の団欒です。
思い切って当時の彼女に、絵の作成を依頼してよかったと思いました。