自由自在に生きろ
久しぶりに夜更かしをしてしまいました。
2026年6月10日(水)午前3時2分 読了
「青青といく」 永井沙耶子 著
フィクションの歴史小説です。
経営、資産運用、人生に迷っている人にはお勧めの本です。
海保青陵(かいほせいりょう)という江戸時代後期の儒学者であり経世家を取り巻く人々の話です。
彼の結論は「世のしがらみ、型にはまった考え、古くからの仕来り、それが大層窮屈だ。自由自在に生きろ」
彼の功績は何と言っても、封建的価値観の根強い武家社会に、経済合理性を持ち込んだこと。
武士も商売を学ぶべきとの彼の主張は、当時の異端。
儒教の「義」を重んじるよりも「利」を優先しなければ、当時の飢饉には耐えられないし、藩の借金は増えるばかりと説きます。
農業から商業・流通への変革が国を豊かにするとの予見には、ただただ驚くばかりです。
机上の学問を嫌い、各地に行脚して現場主義とデータ主義を貫くのです。
藩の財政を立て直す方法
1.専売制
2.特産品開発
3.金融業への参入
と喝破しているところも凄い。
全ての項目が現在にも当てはまります。
約250年も昔に、経世在民と経営の本筋を理解しています。
現代版「経営コンサルタント」「政策アナリスト」と言えますが、彼は自分の説を主張するも、押し付けないのもみそ。
人間性にも優れた彼には多くの門下生が集い、彼の死後も彼の思想の勉強会が催されます。
そこの生徒だったのが、若き福沢諭吉。
福沢諭吉に多大な影響を与えたことはすぐにわかります。
福沢諭吉は「西洋事情」の著書の中で(liberty/freedom)を次のように訳しています。
「一心の好むままに事を為して、窮屈な思なきを云う。但し我儘放蕩とは違う」
つまり、他人を害さない限りにおいて、自主的に行動する権利と定義付けたのです。
私はこのように、経済に関することを中心に感想を述べましたが、実際はヒューマンノベルです。
詳細に読んでくだされば理解できます。
