事業承継
中小企業の永遠のテーマです。
先ず、「承継」と「継承」の違いから。
前者は、地位・事業・精神などを引き継ぐこと。
後者は、身分・権利・義務・財産を引き継ぐこと。
つまり経営理念・ブランド力・評判等などの見えない価値までも引き継ぐのが「承継」と私は解釈しています。
中小企業庁によると、この後継者育成には5年~10年かかるとのこと。
私が残り3年程会長として留まらねばならないことも一般的だという事です。
今後5年以内に経営者がリタイアする可能性がある企業の内、半数以上の100万を超える事業者に後継者が決まっていなくて、日本における社会問題となっています。
その点からいうと、弊社は国内を長男が輸入を次男が承継してくれただけでも、心より有難いと思っています。
中小企業は大企業とは違い、オーナーの経営手腕が会社の強みとなります。息子達の責任は重大ではありますが、大きな夢も持てます。期待は大なるものがあります。
一般的に「事業承継」というと、税制を中心にお金や物に焦点が行きがちです。
確かにそれはそれとして重要なのですが、それ以上に重みを増すのが『人脈』の承継なのです。
ここを気にしていない代表者が如何に多いことか?
私は事業承継に当たって先ずここの改革に着手しました。
既述したように、20年以上付き合いがあった税理士・弁護士・社会保険労務士・司法書士を全員入れ替えたのです。
私の時代より全員10歳以上若返りを図ったと同時に、評判を調べ直接面接も行いました。
結果として、ちょっとした大企業より優秀な仕業で脇が固められたとの自負があります。
この目に見えない貴重な財産を息子達と社員達は受け継げるのです。
極論すれば、誰が経営しても、真面目でさえあれば上手くいく仕組みとなっています。
リスキリングをはじめとした『人』の重要性が、最近各方面から叫ばれています。
しかし、人の重要性は今に始まった話ではなく、会社経営の一丁目一番地であることは昔から変わりません。