まさかは常にあり得る
2023年4月1日(土)21時16分に読了。
「拓銀 敗戦の記録 破綻20年後の証言」北海道新聞社編。
たまたま購入したこの本が、タイムリーな様相を呈しています。
米国の銀行破綻やクレディスイス銀行の救済等が現実に世界で起こっているからです。
読後感は、何事もそうですが、一面だけを見て事実と誤認する怖さです。
北海道拓殖銀行は北海道で断トツのメガバンクでありながら、無理な不動産投資でバブル崩壊と共に倒産に至ります。
ところが、この本を読み進めていくと、当時の橋本内閣の政策ミスや、大蔵省、日銀の無作為の罪をかなり感じます。
最近も記述しましたが、アベノミクスの超金融緩和策で株価は上昇していますが、銀行の経営は厳しさを増しています。
世界一の安全資産といわれる米国債の下落(金利は上昇)が日本国内の地銀の含み損を増大させています。
あくまで含み損なので、資金繰りに問題なければ、期日まで持ち続ければ全て償還され損失は発生しません。
これらのことは、我々の小売業でも同じことです。
いくら業績が悪化して赤字になっても、資金繰りさえうまくいけば倒産はしないのです。
銀行も資金繰りが困難になると、いい悪いは別に貸し渋り、貸しはがしに走ります。
この点を経営者は忘れてはなりません。超低金利で貸し出し競争をしてきた銀行が、そのような事をするはずもないと思っている経営者は、おめでたい限りです。
最悪に備えるのが経営者。先ずはあまりに銀行に頼り過ぎない事。
なるだけ純資産を蓄え借入金を減らすこと。
純資産も現金だけでなく保険や証券等に分散すること。
そして、経営者自身が非常事態用の現金や有価証券を保有すること。
私個人もそして私一人の法人も地銀株を保有しています。
少し真剣に内情に迫ろうと、「地銀と中小企業の運命」 橋本卓典 著 を購入しました。
サブタイトルは『コロナ支援が終わり、真の淘汰が始まる』です。