残存者利益
今までの経営や株式投資の中で私が得た単純な結論は、一番リスクが少なく効率が良いのは「残存者利益」を目指すことです。
私のように大した頭脳もなく、体力勝負の行動力だけで勝負する場合は、特に効果的だと確信しています。
先日午後9時過ぎに博多駅から少し離れた場所で、タクシーを拾おうとしましたが全然捕まりません。
およそ20分後くらいに運よく、信号の関係でたまたま横道からきたタクシーに乗ることが出来ました。
そのタクシーが何と新型クラウンで個人タクシーでした。座席も広くゆったりとして室内も綺麗。
バスの運転手やタクシーの運転手不足がマスコミを賑わしていたので、その運転手にいろんな質問をしました。
先ず、景気はどうか?お陰様でかなり忙しいとのこと。外国人がかなり多くなったそうです。
福岡市内には10年ほど前まで7000台以上のタクシーがあったのが、現在では5000台ほどに減少。そのうちの約1000台近くはドライバー不足で車庫に眠っているとのこと。
個人タクシーの運転手も2割以上少なくなったそうです。
ドライバーの平均年齢も65歳前後で、今後益々タクシーは減るだろうとの意見でした。
残存者利益でこれから良いですねというと、毎日休憩する暇もないほど稼いでいるとのこと。
それ故、車両が新型クラウンなのです。このようなタクシーは少ないので、一層差別化に繋がり彼は利益を得ていくこととなります。
50代の彼から逆質問されました。国土交通省が最近タクシー運転手の許可上限年齢を80歳に引き上げることをどう思われますか?
私は、絶対に乗らないと返事。理由は今の自分でさえ、夜の運転は視界が狭くなって見えにくくなっているのに、80歳の人に命は預けられないと。
すると彼も同意見でした。タクシー仲間ではかなり危険な感じがすると話題になっているそうです。
この残存者利益を享受できる人が、一番やってはならない事は、『現状維持』です。
変わらぬ、あるいは少なくなる需要でも、供給不足がそれを上回れば、何もしないで売り上げも利益もそこそこついてきます。
しかし、そのような時だからこそ、この個人タクシーのように、投資をして顧客満足を上げる努力を続ければ、評判が評判を呼び他の者とは格段の差がつくのです。
私が超富裕層になったなら私は免許証を返納し、彼と特別契約を結び、どこへ行くのも彼の後部座席にゆったりと座りたいと感じました
改めて、経営はシンプルだと思った一晩でした。