長寿と晩婚がもたらすもの
私が毎週通う書道教室。場所が西南学院大学そばの高級地にあるためか、生徒さんたちがかなりのハイスペック。
医師、建設会社の社長、IT会社の社長のそれぞれの奥様方と同時に練習をしています。
建設会社の社長夫人とIT企業の社長夫人は共に背が高く美人。イヤリングがシャネルやエルメス、書道道具を入れるバックがルイビトンとボッテガベネッタ。
サンダルやスニーカまでエルメスやシャネル。
私とは別の空間の人間と思って接していました。ただ医師の奥様はこの二人ほど美人ではないのですが衣類は地味で挨拶も笑顔で、正直そうなところが好感を持てたまに会話をします。
その医師の奥様が突然先生に練習日の変更をお願いしました。
先生が理由を尋ねると、パートに出ることになったからと。
すると、周りの女性たちから一斉に「嘘、あなたに働けるわけない」と。
彼女のご主人は田舎町で開業していて、子供の教育のために西新にマンションを購入した話は聞いていました。そんな彼女が50歳を超えてパートとは。
彼女の弁によると、晩婚で子供が小さく今後教育費がかさむ。ご主人が65歳となり視力や体力の衰えを感じて閉院するとのこと。田舎でM&Aも可能性がなく且つ広い土地でも買い手がいない。
ご主人の収入にあてが出来なくなり決断したと。
確かに私のテニス仲間の62歳の歯科医師も、兎に角体力的にも精神的にもきついということで、医院の売却に動き出したといっています。
一般的には医者等の奥様になれば、誰よりも羨ましがられる存在だと思っていました。
人間はやはり65歳以上ともなれば、どのような人でも体力的・精神的衰えが顕著となるのは、動物である以上仕方ない事なのでしょう
それなのに、長生きするということは、それだけ老後にはお金が掛かるという事。
既述しましたが、私は25歳で結婚し26歳で第一子を授かりました。早い結婚と子供のお陰で、体力のある若い時期に子育て費用は完了しました。
お陰様でエンプティネストの今は、夫婦で普通の暮らしをしてもお金の心配はしなくて済んでいます。
今後、晩婚化と長寿が増えれば増えるほど、思いがけない老後が待っているのだと痛感した日となりました。