忍び寄る危機

 子供たちの各店舗には、極力行かないようにしています。

それでも、会長職としての最低の仕事はしなければなりません。

毎晩長男にグループ全店の成約状況だけは聞き続けています。

 そこで感じたのは、確実に会社の危機が忍び寄っていることです。

原因はいろいろあるとは思いますが、商品が入荷しないということが一番大きいと感じています。

 しかし、この原因はどうしようもないことなのです。

メーカーも必死に事に当たっていますが、世界情勢がかかわることなのです。

 それでも経営者は業績の悪化を、それらのせいにしてはいけません。

解決策は、その置かれた環境下で、真剣に従業員の幸福を考えることです。

 一般的には、どうやったら会社が倒産しないか、何か利益が出ることはないか等、会社本体から考え出します。

それくらいの感覚では、しっかりとした解決策など出てきません。

「社員の全員の幸福」から考え出すことです。

社員一人一人とその家族を思い浮かべ、「彼らを今以上に幸せにするには」という視線で物事を考えていくと、自ずと経営者も真剣にならざるを得ません。

 最終的には、会社は『人』でもっているからです。

この基礎的普遍的な考え方のもとに、今から各店長やそのほかのスタッフと膝を交えて、真剣に対策をねることです。

今月中にでも対策を確定して、直ぐに行動に移さなければ、年間売上高の4割以上を占める3~4月が悲惨な状況となり、一気に資金繰りが苦しくなります。

この2年間追い風が吹いていただけに、急激な変化に「そんな馬鹿な」と思っている社員が大半です。

社員全員を同じベクトルに向かわせることができるか、息子達に初めての大きな試練が待っています。

 

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