正道を歩む

九州の地銀は何かと話題になることが多い気がします。

大半は合併や資本参加、それに伴う統廃合です。

 

ある経済誌を読んでいましたら、違う件で福岡市の地銀の頭取の話が掲載されていました。

記者会見で「融資先の粉飾決算」について言及したのです。

その後各行の頭取も同じ内容等を発言し、融資先の粉飾決算が増えていることが知れ渡りました。

 

今までは、低金利競争で少々リスクがある会社にも融資を行ってきたのが、景気悪化と銀行自体の収益悪化に伴い、融資先の精査を進めた結果、判明したようです。

私はこの粉飾決算をする中小企業の経営者の気持ちが理解できません。

 

オーナーでない大企業の経営者ならば、自分の在任期間だけでも良く見せようとするのはわかります。

悪くなった業績を良く見せ、さっさと自分が退職した後は、後継社長に責任転嫁すればよいからです。

 

しかし、中小企業のオーナー社長は違います。

最悪、自分や家族の全てのものを失うだけでなく、近しい取引先等にも迷惑をかけることとなります。

悪いことをして倒産でもすれば、その地での生活は出来なくなり、多くの知人まで離れていきます。

 

業績悪化が進行するようであれば、それこそ、税理士、弁護士、銀行の担当者を交えてすぐに、本音の話を行わなければなりません。

その結果が仮に倒産となっても、粉飾後と比較すると被害は軽微で済むし、その経営者の人間性まで地に落ちる事は有りません。

また、そのように正直な経営者なれば、いろんな方が応援してくれ、業績が回復する事はままあります。

中小企業の経営者が格好つけてもたかが知れています。

 

毎期『決算報告書』を銀行へ提示し質問には正直に答える、「正道を歩む」姿勢は、常に子供達に示してきたつもりです。

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