怖そうな人の優しさ

 水曜日の午前中は、毛筆習字を習いに行きます。

教室が終わると、その近くにあるバス停からバスに乗り、城南区役所北口まで。

そこで下車して、5~6分ほど歩き中村学園前で乗り継ぎ。

 西新からのバスが順調に走り、足早に乗り継ぎ場所まで行き、そのバスが少し遅れてくると、ロスもなく帰宅できます。

この乗り継ぎが、毎週微妙なのです。

 昨日、西新からのバスが遅れたために、小走りで乗り継ぎのバス停へ向かいました。

私の走る前に、2台のバスが連なっていました。

このうちの1台でも左折するのであれば、私の乗り継ぎは不可となります。

私は走るスピードを上げました。

 すると、後方から男性の声が私を追いかけてきます。

立ち止まって、振り返ると、スキンヘッドの体格の良い男性が息を切らしながら、何かを言っていました。

右手には、私の書道用の筆入れが握られていたのです。

 「バッグが開いとるよ。落としたよ」と彼。

そうなんです。きちんと閉めていなかったバッグから、私が走ったために落ちたのでした。

思わず、「有難うございました。本当に助かりました」と私。

 3度も4度も頭を下げて、乗り継ぎを諦めて、バス停に向かいました。

すると、高齢の女性がバスを待っていました。

尋ねると、10分以上前から待っているが、まだバスは来ないと。

それから右手方向を眺めると、すぐに左折してこちらに来るバスが視界に入りました。

何があったのかは分かりませんが、15分も遅れて到着したのです。

 そこそこ混んでいたので、つり革を握りながら、先ほどのことを振り返りました。

怖そうな人が息を切らせながら落とし物を届けてくれる、こんな日本て何と素敵な国だろうとつくづく思いました。

ウクライナのことを考えながら、日本の安全保障に役立つように寄付しようと、新たに決意したのです。

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