諸戸清六

600ページに及ぶ分厚い「商家の家訓」もやっと半分まで来ました。

それまでの豪商には納得するものもありますが、しょせん出が豊かなのです。

その先祖の財産を代々増やしていった感があります。

ここに来てやっと私の理想像の人物が現れました。

その人は「諸戸清六(もろとせいろく)」です。

もとは、我が家と一緒で百姓なのですが、彼の父親が事業を起こし失敗を重ねます。

困窮のうちに亡くなった父親の家督を引き継いだのが、「諸戸清六」なのです。

当時の金額で2000両(現在価値で約2.6億円)の借金を18歳で背負ったのです。

彼は、人が10時間働くところを15時間働き、人がご飯を3杯食べるところを1杯で我慢し、人の捨てたものを利用するなどして猛烈に働き質素倹約を心がけます。

そうして貯めた80両(現在価値で約1千万円)を元手に米穀業を始めます。

船頭や古老の百姓から色々な話を聞き、長期的な天候予測が出来るようになり、米相場に明るくなり

財産を築いていき、20代前半で父親の全ての借金を返済するのです。

情報を得ることを常に心掛け、明治維新後の年貢米の制度が金納制になることを予想し、米の価格が一挙に大暴落した時に一気呵成に買占め巨利を得ます。

そこからは、殆どの大富豪が通る不動産へ資金を振り向けます。

42歳の時には、日本一の森林王と日本一の大地主になります。

渋谷から世田谷まで他人の地所を踏まずに行けたそうです。

この家の家訓で特に私が気に入ったもの

*時は金なり

*人を選ぶ(派手な人と付き合わない)

*賢い人は何時でも馬鹿になれる

*いろんな人に会って多くの人に知恵を貰う

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