水急不流月

「みずきゅうにしてつきをながさず」という禅語です。

私の先輩が下さったメールに書いてありました。

水がいくら急に流れても、水面に映る月は流れることは無いという意味だそうです。

 

最近の新型コロナウィルスの状況において、大臣や各都道府県知事の映像が頻繁に流れています。

目まぐるしく変化する状況は、まさに『水急』です。

しかし、その対応力や情報発信を見ていますと、『不流月』の人は僅かなような気がしました。

 

世間やマスコミがどう報道しようが、自分の不動の信念を貫く姿勢がきちんと表れている人もいることが、とても頼もしく思えました。

会社経営を長年やってきた私にとって、「決断」するという事は、他の何かを捨て去ることと同義でした。

それ故、全員が賛成することは無かったのです。必ず非難する人は出てきます。

 

そのような急変する複雑な状況の中で常に心掛けていたことは、物事を単純化してそれが良い事かどうかという一点だけを、虚心坦懐に確認する事でした。

今回で言えば、絶対に国民の生命を守るという点だけを考え行動することが、最上の決断だったと思います。

経営もそうですが、最悪の状況を想定して決断する事は、ただ一人トップの責任だと思います。

 

人生で、このような場面に出くわすことは滅多にないかもしれません。

それでも、突然のことに迷いが生じた時には「水急不流月」という言葉を思い出しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

前の記事

更なる格差

次の記事

CPI