少しだけ非日常
2026年10月14日(水)の正午過ぎに、我が家にバイクで来ました。
お洒落な彼らしく、ジャケットを羽織り、イタリア製のモトグッチV7にまたがり。
株式投資の4番弟子にあたる人物です。
株式投資を始めて2年弱の彼と、2週間ほど前に投資の話をしていたときに、彼から基礎を教えて欲しいとの話がありました。
そこで、定休日の水曜日に我が家に呼んだ次第です。
恒例の真ダムのカレーライスを一緒に食して、二階の執務室へ。
パソコンの株式画面をつけて、見方のポイントを簡単に説明しました。
一般的な、PER、PBR、ROE、について、基準の数値を解説。
続けて、私独自の投資スタイルの説明を行いました。
このスタイルは、39年間の経営者体験を通じて学んだものです。
現・預金、自己資本比率、流動比率、当座比率、配当性向について具体的に述べました。
彼は現在5銘柄を保有しています。
分散投資はリスクは少ないものの、株式残高が1000万円を超えるまでは、せめて2銘柄は減らし、少しリスクを取った投資の方が面白いとアドバイス。
彼なりに選んだある1銘柄を、私が通常調べる順序で解説しながらチェック。
中長期で持てば、かなり面白いとの結論になりました。
彼曰く、ある銘柄を売り、この銘柄を買い増すと。
いつものように「投資は自己責任ですよ」と私。
午後3時頃、これまた颯爽としたバイクの後ろ姿で帰っていきました。
私の勝負株であるI株とS株、それに(S1)株も全然上昇の気配なし。
そこでパソコンを終了し、本を読み始めました。
その日の18時30分から始まる「西南学院大学公開講座」の課題図書です。
「オメラスから歩み去る人々 アーシュラ・K・ル・グィン著」
5回ある講習の3回目です。
暗い気持ちになる難解な本なのです。4回も再読しました。
ボロなジャージを着て、地下鉄とバスを乗り継いで西新4丁目まで。
20分前に到着し、くじ引きで得た8番席に着席。
講義が始まり、今までと同じように4人でディスカッション。
5番の女性、6番の男性、7番の女性、そして私の順番で読後感と気に入った文章は何処かを、また何故かを討論します。
この小説の内容が難しいのは、簡単に善悪つけれないからです。
ある一人の子供を犠牲にすれば、100万人はユートピアのような幸せな生活が送れる。
しかし、100万人の大人も子供も、犠牲になって土蔵のような日も当たらない小さな部屋に閉じ込められ、食事も最低のものしか与えられずに、外に出てお母さんに会いたいのに会えずに糞尿にまみれている一人の子供の悲惨な姿を見たり聞いたりして、そのことを知っているというもの。
この一人の子供を助け出せば、100万人のユートピアはその時点で崩壊するとの契約になっているのです。
良心の呵責に耐えられずに、このユートピアのオメラスから去る数人が描かれています。
他人の不幸の上に成り立つ自分の幸福をどう考えるかという問いです。
講師がオメラスに残るか、出ていくかどちらかを選んでその理由まで討論してくださいと。
3人は結論が出ないと迷っていて、要領を得ませんでした。
私は即座に「オメラスに残る」と。
理由は「自分と家族が一番大切だから」
6番の男性がすかさず、「心が痛まないのか」と。
「忘れることは出来ないにしても、思い出さないようにして、日々を楽しく生きる方が自分に合っている。正義の定義は歴史によって変わる。パレスティナの子供達が殺されていて、可哀そうだと思うが、自分の子供や孫でなくて良かったとも思う。私が出来ることは金銭的な援助だけ」と私。
またまた男性が「自分の子供が生贄になったらどうか」とたたみかけてきました。
「こっそり助けて、家族全員で必死に逃げる」と私。
「100万人はどうなっても良いのか」と男性。
「自分の家族も守れないような人物が、他人のことに関してとやかく思慮することは無意味」と私。
そこで討論の時間は終了。
講師曰く、先週の「歩道橋の魔術師」と今回の「オメラスから歩み去る人々」は、敢えて難しい、普通の人は滅多に手に取らないような本を選んだと。
私に合わないはずです。
私が好きなものは勧善懲悪。
「ゴルゴ13」「鬼平犯科帳」「坂の上の雲」
それでも、この様な機会が持てたことは良かったと思えました。
小説家は難しく考え過ぎな気がしてきました。
(与えられた場所で、その日その日を一所懸命生きる)とシンプルに考えています。
