チョコレート
チョコレートを見るたびに、小学生の頃を思い出します。
チョコレートを食べられるのは、
年に2回ある春と秋の遠足の時だけでした。
小遣いが10円の私にとっては、我慢して貯めても
チロルチョコが精一杯。
グリコのチョコなど店頭で眺めて、
舌なめずりするだけのものでした。
チョコレート工場に行き、思い切り、
食べまくる空想をしばしばしたものです。
大学生になり、アルバイトのお金で買ったロッテアーモンドチョコを
もったいないと思いつつも、30分前後で食べ尽くした快感は忘れられません。
このようなチョコレートに対する飢餓的体験が元なのでしょうか、
それには妙に印象に残る記憶がついて回ります。
就職先の神戸でこのチョコを知った時も衝撃でした。
確か、元町の2階に店舗はあったと思いますが
「一番館ポーム・ダムール」のチョコです。
これは、フレッシュなリンゴを
長時間蜜炊きにしたものをチョコでくるんでいます。
九州から生まれて初めて外に出て住んだ私にとって、
ハイカラな神戸の味でした。
テーブル中央に豪華な花を飾っていた
アンリシャルパンティエの喫茶店と共に、
上品・高級という感覚を身をもって体験した最初です。
それからも、いろんな海外のものを含めて
美味しいといわれるチョコレートを食しましたが
今まで特に印象に残るものはありませんでした。
ところが、30数年振りにそれが出現しました。
これは、食通のK夫妻からお土産に、北海道限定ということで頂いたものです。
この商品は
「雪印メグミルク(株)と(株)ロイズコンフェクトの共同企画商品」です。
ほんの少し癖のあるチーズに程よい上品なチョコレートが
何とも繊細な美味しさを、思わず脳までもが頷くほど、後味として残します。
このようなものは、やはり日本人でないと作れないと確信するほどの傑作です。