ひとそれぞれ
2026年9月30日(水)17:30に自宅を出て、細く静かに降る雨の中、肩から掛けた鞄が濡れないような角度で傘を差し徒歩で地下鉄最寄り駅まで。
そこから、二つ目の駅で下車し、バスに乗り換え西新まで。
午後6時30分からの「小説を書くための読書 第一回」に参加してきました。
西南学院大学公開講座が「西南コミュニティーカレッジ」2階で開催されたのです。
対象は、既に小説を書いている人&これから小説を書こうと思っている人なので、私は対象外でもあります。
私は単に、文章が上手くなりたいだけですから。
残念ながら今回もオジサンとオバサンばかりでした。
全19名のうち男性は6名のみ。
面白い出会いやロマンスを期待しましたが、映画や小説のようにはいかないようです。
小説の書き方の基本は「自分の経験から始める。自分の中にある謎を題材にする。自分の記憶に着想を得る」
確かにそうです。
体験から話に広がりを持たせることはできますが、未体験のことは描写がいい加減になります。
最初は「良いところを言葉にする」ことが重要。
1.着想 2.構想 3.描写 4.完成 を意識すること
これらの話が一通り終わった後に、メインのディスカッションに移りました。
4人一組になり、それぞれが課題図書の感想と、好きな文章を取り上げての書評を述べるというもの。
私は3人の女性との4人組で、最後列でした。
課題図書は「須賀敦子 著 オリエント・エクスプレス」
短編なのですが、私は丁寧に3度読み込んできました。
一回目から、恥をかきたくなかったし、講師がどのような理由でこのタイトルを選んだかのヒントを得ようと思ったのです。
父親とヨーロッパに住んでいる娘との話で、紀行文でもあり追悼文でもあります。
女性3人の感想を聞き驚いたのが、私を含む全員の感想がまるで違っていたのです。
一人だけ、私も然もありなんというレベルの女性の発言はありましたが、他の2人のものは理解できませんでした。
好きな描写の評論になった時も、全員違う意見でした。
自分が一番底辺のレベルと思い、少々緊張して臨んだのですが、驕りでも何でもなく杞憂に終わりました。
現代国語の試験なら、私が合格点のはずとまで思えました。
一回目の発表があった後に、二回目のディスカッションになりました。
そこでは、4人の簡単な自己紹介があり、今回の講座を申し込んだ理由も述べあいました。
講習最後に、講師が「何故父親はオリエント・エクスプレスのコーヒーカップとミニチュア汽車をお土産に頼んだのか」との質問に答えることになりました。
ここでも、4人それぞれの意見が分かれ、また、先ほどの一人の女性の意見だけ私には納得感はありました。
私は男の気持ちとしてと前置きをして、次のように述べました。
「父親は反目していた娘が本当はいとおしかった。いつか自分が若い頃ヨーロッパで素晴らしい経験したオリエント・エクスプレスに一緒に乗り、色んなことを語り合いたかった。しかし死期が迫った今、娘が持ち帰るそれらの土産に自分の夢を託した。」
件の女性だけ「○○さんの意見は私も娘として理解できます」と。
今はホームに入っている彼女のお父さんは、嘗て敏腕新聞記者だったそうです。
