損はない
2023年4月4日(火)13時51分 読了。
「地銀と中小企業の運命」 橋本卓典 著
この本は、バンカーだけでなく窮地に立っている経営者にも役に立つ書です。
今までの地銀の在り方と今後の姿を垣間見る気がしました。
ゼロゼロコロナ融資が終了し、今後倒産が増えることが予想されています。
しかし、倒産といってもいろんなパターンがあり、その再生にも地銀の対応力が試される時代となりました。
先ず、中小企業の経営者は、日頃からメインの地銀を決めておくことが重要です。
そして、その担当者や支店長とこまめにコミュニケーションを取ることです。
その時に、自分を大きく見せようとかせず謙虚な姿勢を崩さず、小さな嘘を絶対に付かない事。
このブログで何度も記述しましたが、私は毎期の財務諸表だけでなく決算報告書1冊丸ごとを銀行に提出してきました。
最近では、私や魔ダムの個人の分まで提出しています。
窮地に立った中小企業を救おうとする地銀で一番困るのが、簿外の債務(連帯保証を含む)を経営者が隠すこと。
このことは経験則から理解していたので、弊社グループが法人化してからというもの、毎期決算報告書を提出しているのです。
その代わり、銀行にはプロとしておかしな兆候等あればすぐに指摘して、改善策をアドバイスするように求めています。
この本には銀行の債権に関する内部資料等も記されており、当然ですが取引先中小企業のランク付けも書かれています。
経営者はこの本を読んで損はありません。特に最近起業したり、経営が上手くいっていない企業の経営者には是非読んで欲しいものです。
簡単に言えば、古くからの銀行の企業に対する査定表は、その企業や経営者自身の担保能力に依存してきました。
その次が成長戦略や経営者自身の能力といった具合です。
逆に言えば、古い慣習の方がハードルは高くなるのです。
私は、この古い慣習で最上位の格付けトップ(12段階の1)を目指していたので、今となっては正解でした。
中小企業にとって、社員や取引先と同等以上に大切にしなければならないのが銀行だと思っています。
銀行の支店窓口に行った時に、支店長が来て挨拶し別室で蓋つき湯呑にお茶が出る、盆・暮に届け物が来る等になったら、ランクは「1」か「2」であるはずです。