先が楽しみ
出張で宮崎に行った折、とあるバイク販売店に立ち寄りました。
息子と店内を見て回り、2階から降りてくると、近づいて挨拶する若者がいるのです。
よく見ると、以前弊社で働いていた若者でした。
彼は仕事もでき、久し振りの期待の新入社員でした。
ところが、2年過ぎた頃に「自分はもっとビッグになりたい」といって、弊社を辞めて東京へ向かったのです。
息子や、他の社員達は彼の行動に否定的でした。
失敗して戻ってくるか、悪の道に染まるかどちらかだろうと私も考えていました。
それでも、私は彼の行動力には新鮮なものを感じていました。
宮崎の店で東京での生活を詳しく聞きました。
予想通り、居酒屋のバイトに始まり、ある業種の営業をして、それからキャパクラのバイトで、コロナで困窮し、自動車の製造工場で季節工として働いて、宮崎までの旅費を稼いで実家に戻ったそうです。
私は開口一番「悪の道にそれなくてよかったな。本当に良かった」と。
次に、「とてもいい経験をした。今後の人生に必ず生きるから」と励ましました。
我々が帰り際に、丁寧に頭を下げ、車道に車を誘導してくれました。
「今でも野心があるなら、いつでも帰ってこい。今からどんどん出店するから、お前のような人物は必要だ」と言って手を振りました。