栄枯盛衰
4ヶ月ぶりくらいに、無くなった塗り薬を貰いに行きつけの皮膚科へ行きました。
すると、病院名が変わっていました。
入り口ドアの張り紙に、小さく旧院名が書かれていたのでそのまま二階の受付へ。
すると、女性スタッフ全員が今までと違う人々で、ユニフォームも変わっていたのです。
暫く待っていると診察室に呼ばれました。
新しい院長はどんな人かと思っていたら、そこには今までの院長がいたのです。
「引退ですか?」と尋ねると、「そうそう、それでも完全にリタイアするとボケるので、週2回午前中だけ診療している」とのことでした。
私が行った日が、たまたま彼の診療日だったのです。
頭皮の脂漏性湿疹で20年以上通っているので、彼とは親近感があります。
最初は、外資系の生命保険会社の担当者から紹介を受けて通い始めました。
その時彼は、2代目として切り盛りしていて、待合室も立って待つ人が出るほどでした。
ところが10年前くらいから、近くに同様の病院が2か所できてからは、いつ行っても空いていたのです。
彼の年齢は72歳という事で、新たなシステムのパソコンをいじりながら、「見えづらく、やり辛く、これが一番ストレス」と言いながら、私の処方箋を打ち込みました。
目をしばしばさせながら、パソコンに向かっている彼を見て、「栄枯盛衰」を感じると共に、どのような業種でも、やはり引き際を間違ってはいけないと思いました。
私は60歳を機に息子達に経営譲渡を始めて9年になります。
いろんな本を読み漁り、経営譲渡は10年くらいかけて完成するのが一番良いとの自分なりの結論は、正解だったと感じた一日でした。