経営責任と執行責任
今回の旅行で、顧客満足のレベルの貴重な体験をしました。
これは、会社経営だけでなく、自分がこの先どう生きるかにも拘わってくると確信しました。
帰宅すると、長男の会社の情報を真ダムから聞きました。
ミステリーショッパーといって、顧客のふりをした調査員がその店の顧客満足を点数化するものがあります。
これは、4輪だけでなく、二輪業界のどのメーカーも行っているものです。
その実績が出たそうなのですが、弊社グループ6店の中で大きな差があったいうことに愕然としました。
その専門店は、現在全国に73店舗あり、弊社のトップは全国4位、ビリは何と全国最下位の73位とのこと。
私なりに調べた結果、そのビリの店は前回の調査でも似たような結果だったと。
大人しく、優しくなった私でも、一瞬で沸騰するやかんになり、長男を呼びつけました。
「お前が9割悪い。残りの1割は店長が悪い。」
数千万円かけてリニューアルし、この店は次に倉庫も増築しようと算段していました。
投資は、場所とその店のトップの人となりにするもの。
直ぐに投資を止めるように指示しました。
この様な店は、専門店の看板を背負っては絶対にいけません。メーカーのブランドそのものを毀損する恐れがあるからです。
シビアな外資系なら、もう一度同じレベルであれば、確実に専門店を降ろされることでしょう。
何故このような事態に陥ったか?
それは、「経営責任と執行責任」の両方が経営トップには求められることを、理解できていないからです。
先ず経営者は、今の会社をどのような会社にするのか、社員全員に明確な方向性を示すことです。
簡単な例を挙げるならば、「5年以内に売上高を100億円にする」「3年以内に年収1000万円の店長を育てる」「3年以内に10店舗にする」etc.
その方向性が社員全体に行き渡ったなら、次には明確な指示を出すこと。
例えば、売上高を伸ばすには、先ずは来店客を増やすこと。来店客を増やすには、顧客満足を常に求め続け紹介を増やすこと、在庫の偏りをなくすこと、1円を大切にすることetc.
明確な指示を出した後は、現場責任者の店長に全権をゆだねる。本部はサポート役に回ることに徹する。
二輪業界において私が最も大切だと思う指標。売上高や粗利率ではありません。
リコールの回収率と顧客満足率のダントツトップ。理由は簡単です。メーカーが一番喜ぶからです。
ブランド力が上がれば、自然と売上高も利益率も上昇するのです。