自立
先日、数えで93歳になる父親を車で病院まで連れていきました。
前の晩に急にめまいが始まり、夕食時の食堂で倒れ食べたものを全て吐いたとのこと。
翌日の朝一番にホームへ私と魔ダムで迎えに行き、そのまま病院へ付き添いました。
各種問診の後、脳のCT撮影、胸部レントゲン、心電図、血液検査を実施。
どの検査結果も異状なしで、めまいの原因は分からずじまい。
その日は症状も出ずに安定していて、取り敢えずめまい抑制用の薬を2種類貰い帰宅。
その時に私は、両親が何時意識不明に陥るかわからないという事実に気づきました。
通帳やホームの支払等は私が見ることが出来ます。
詳細に調べると、問題点が浮かび上がってきたのです。
先ず最近の物価高でホームの料金がかなり上がっていること。
それに、ホームの料金が引き落とされる両親の通帳残高が減ってきたこと。
有難いことに両親ともに意識ははっきりとしているし、話す内容も理解できます。
そこで二人に、「郵便局の定額預金を解約して、ホームの料金が落ちる地銀に一本化した方が良い。痴呆が進めば解約等も出来難くなる恐れがあるから」と説明し、了解を得て私が実行することに。
事前に近くの郵便局を管轄する大きな郵便局に電話確認。用件を伝え、準備するものと解約等のプロセスを聞き最寄りの郵便局へ。
両親二人の委任状を取ったり、郵便局からホームへ電話をして二人に意志確認したりと、ホームと郵便局を2往復し、煩雑な書類を数種類記入しやっと終了。
延べで2時間40分ほど掛かりました。
常に両親は私達に迷惑をかけたくないというのが口癖でした。
そこで私は両親のすべての通帳残高を調べ直し、今後のインフレ率等も計算の結果、二人の年金が大幅に減額がない限り、後20年は資金的に大丈夫との結論に達しました。
その旨を両親に説明すると、「良かった、良かった、もうこれで何も心配せんでよか」と。
改めて、私の両親と義母を尊敬します。
この3人は大正・昭和一桁の人々が殆どそうであったように節約に節約を重ね、資産を温存していたのです。
両家ともに実家を売却できて、そこそこ大きな金額が現金化されたことは運が良かったのかもしれません。
今まで『自立』とは、親元を離れ自活できることと思っていました。
しかし、本当の『自立』とは、公共機関や子供や孫達の手を煩わせても、それ以外は全て自分の資金で処理できることだと考え直しました。