小中高生の指導者が見習う事

 夏の全国高校野球選手権大会で初優勝した、仙台育英高監督の須江航さんの記事が新聞に掲載されていました。

最初の私の感想は「やればできるんだ」。

単に努力をして100年間開かなかった扉をこじ開けたという事で、そう思ったわけではありません。

 自分自身が現役高校生の頃は、選手としての出場機会がほとんどありませんでした。

何故そうなったのかわからないままの体験から、細かなデータ分析を行い数字を示して「全ての選手に成長と出場の機会を提供」というところが先ず最初のポイント。

次にこれが私は一番重要だと思っていることですが、今大会は「ベンチ入りした18人を全員起用」して優勝したことなのです。

この「全員起用」で優勝できるという事実を作ったことが大きいのです。

 私はボランティアで幼稚園、小学生、中学生までのラグビーの指導体験があります。

かなり古い伝統あるクラブですが、最終的な県大会や九州大会ともなると、この「全員起用」が忘れ去られるのです。

私がいくらこの「全員起用」を説いても、「勝たなければ意味がない」という圧倒的な意見に、クラブの方針が変わることはありませんでした。

 全員がプロを目指すわけでもなく、中学卒業とともにラグビーを止める子もいるのです。

厳しい練習に耐えて、友情をはぐくんだ仲間と共に、最終決戦を全員で楽しむことの方が何百倍も彼らのためになります。

大人のエゴで、子供の思い出を台無しにする愚は避けるべきと、この監督の事を知って確信しました。

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