経営の難しさ
中小企業の経営において、困難な状況になればなるほど、トップダウンの決断が重要となると私は思っています。
ただ気を付けないといけないのは、この決断が「独断」となっては危機を広めるだけなのです。
高校時代に、偉ぶって三木清の「人生論ノート」を読んだことは既述しました。
当然、経験も体験も少ない青二才に、深い意味が分かるはずもありません。
その中に、『独断家』に関する記述があります。
「独断家は、甚だしばしば敗北主義者。知性の敗北主義者である。彼は外見に現れるほど決して強くはない。彼は、他人に対しても自己に対しても、強がらなければならぬ必要を感じるほど弱いのである」
会社を経営してきて、この意味が素直に理解できるようになりました。
嘗て、独断を下したことがいくつかあります。
幸いにも、結果オーライでしたので事なきを得ているだけなのです。
現在では、この『独断家』にならないように、常に気を付けています。
先ず、各業種の信頼できる専門家の意見に丁寧に耳を傾ける。
その上で、自分が納得できるまで情報収集を図る。
次に家族の意見を聞く。
最後に、私の第六感を信じる。
これからの経営は、本当に先が見えません。
何が起こるかもわかりません。
経営者の決断が、将来を大きく左右する事だけは、いつの世も同じです。