手に届く幸せ
冬の季語である「小春日和」そのものの気候でした。
穏やかな風に、心地よい暖かさが薄手のセーターさえ脱いでしまおうかと思うくらいでした。
ベージュのコッパンにマドラスチェックのボタウンダウン、その上に紺のカシミヤのセーター。
高校時代から、ファッションセンスに進歩がありません。
唯一重宝なのが、服の買い替えに悩まなくて済むことくらいです。
ゆっくりと歩いて、両親が住むホームへ行きました。
福岡市長選挙の投票用紙を届けるためです。
私が玄関に到着したほぼ同時に、両親が外出しようとしていました。
彼等も陽気に誘われて、すぐ近くの鬼面池の外周を散歩するとのこと。
1周300メートル以上はあると思います。
そこを3人でゆっくりと話をしながら、一緒に散策しました。
母の認知症が少し進んだかとも思えました。
孫達の名前を何度聞かせてもすぐに忘れます。
今が何月かもわかりません。
そしていつも繰り返し、自分達のお金は残っているのかを聞きます。
私にだけは、迷惑をかけたくないそうです。
「心配しなくても100歳まで大丈夫」といつも答えるのですが・・・
今月中に父の米寿のお祝いをセッティングしている話をしますと、二人共に大喜びでした。
この二人の子供に生まれて、本当に良かったと思えた「小春日和」でした。