役立たず

長男が実質的に結婚して、いよいよ「エンプティネスト」に入ります。

ここで気をつけなければならないのが

empty nest syndromeと米国で名づけられた心身不調の病状です。

 

子供が独立して、親としての役割が失われた虚無感や孤独を感じながらも

すぐには新たな生きがいを見つけることができないことで生じるようです。

一般的には子育てに熱心な専業主婦が陥るケースが多いとか。

 

ところが、私の周りを見ますとどうも様子が違います。

男性側は退職を機に妻と旅行等をして二人で

余生を楽しみたいという思いが強いのが特徴です。

 

一方、女性側は既に自分のコミュニティをいくつか持ち

長年連れ添って飽きた旦那は必要としていない、

単なる年金の財布と用心棒替わりの意味しかないというものが多いのです。

 

「亭主元気で留守が良い」とは、昔から言われていることです。

面白おかしく可愛い表現になっていますが、実はこの根底には

男性心理と女性心理の決定的な違いがあるようです。

 

支配欲の強い男性側は、当然妻に自分を一番に思うことを望むのですが

受動的である女性側は、夫は精神的な一番でなくても良いのです。

経済力であったり、肉体的な強さであったり、然程好きでなくても

結婚生活は送れるのです。

 

エンプティネストを機会に、自分と自分のパートナーとの関係において

「1番の愛」に疑念が生じた場合、ピュアな男性ほど脆いものです。

 

料理は作らん、茶碗は洗わん、掃除はせん、「本当に役立たたず」と

言われる場合が多いそうです。

 

「好きな人の為に、自分を着飾り、家を片付け、料理に心を込める」

これが夫婦じゃないのかと世の男性は叫びたくなるのです。

私もこの衝動をぐっとこらえ

最近、風呂の掃除に茶碗洗いを始め、料理学校に行こうかとも思います。

 

「一番になる」努力をするのか

「一番です」と言ってもらえる相手を新たに探すのか

どちらにせよ、年を重ねるごとに男性の力は弱くなって行きます。

 

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