経営と資本の分離
最近、上場企業において、現経営陣と創業者一族との
確執が数多く話題に上っています。
大きなところでは、リクシル、ベネッセコーポレーション。
鳴り物入りで、米国式のプロの経営者を外部から招聘すると
いうものでしたが、派手なパフォーマンスの割には、
実績は残せず敢え無く頓挫。
小さなところではクックパッド。
話題満載でした大塚家具とセブンイレブン。
ここまでは、創業者がまだ生きているので
会社の経営方針や社員のモチベーション、それに
対外的な信用等も然程変化もなく、これからを
見届けようとの感覚になります。
しかし、今回の私が良く利用している外食業界の
「大戸屋」に関しては、私の情報不足を差し引いても
今後の小説にもなりそうな、キナ臭い動きが現経営陣にあります。
事実だけを列挙すると、昨年7月に創業者が死去。
昨年11月に創業者の長男が常務取締役から取締役に降格。
その長男が今年2月に辞任。
現経営陣が取締役と社外取締役のほとんどを
入れ替える株主提案を出し、それにこの長男と
創業者の妻が反対。
現経営陣にこの二人との妥協点はなし。
この二人の持ち株比率は18%しかなく、拒否権がありません。
既述した日産が三菱に出資する34%がここで効いてくるのです。
資本と経営の分離は経営学のテーマですが、
上場してしまうと、創業者の理念を他人が営々と引き継ぐことは
かなり至難の業だと思います。