男としての矜恃

脱サラして30年近くも経営者をやっていますと、

いろんな業種の方々との交流が増えるに従い

辛い場面や信じられない場面にも遭遇します。

 

必死の努力の甲斐もなく

明日不渡りを出して自己破産をすると

きちんと連絡をしてくる人。

 

自分の部下をだまして連帯保証をさせて自己破産した人。

 

借金をするだけして、女性と突然タイに高跳びした人。

 

借金が返せなくなり車で壁に激突して自死した人。

 

売上減を何とかしようとチラシを配りながら

マンションの高層階から飛び降りた人。

 

そんな中で、最近私が凄いと評価している人が

身近にいます。

 

彼は、噂では倒産は時間の問題でした。

その割にはいつもニコニコしてマイペースで

本当に緊張感のない人だと

私は彼を認めていなかったのです。

 

最近彼と話す機会があり、

様子を詳しく聴くことが出来ました。

 

すると、後4年少々で借金の全額返済が終わるとのこと。

真っ白になった髪が痛々しかったのですが

心底良かったと思いました。

 

車から何からお金になる資産はすべて売り払い

自分の給料は全額返済に充て、

奥様の働きで慎ましやかな生活を継続。

 

こちらのお嬢様はスタイルが良くとても美しい人で

ある超大手の会社の2代目社長に嫁ぐことになりました。

 

彼女はお父さんが苦労して借金を返済しているので

自分も手伝わねばならないと最初はプロポーズを断ります。

その2代目は、すぐにでも自分がお父さんの借金を

全額返済するからと再度プロポーズしてゴールインしたのです。

 

ところが、私の知り合いは、その申し出を断り

必死でここまでこぎつけたのです。

それもいつものニコニコとマイペースで。

 

私だったらと考えますと、切羽詰まったら

そのような申し出を断る自信がありません。

 

如何にも男らしいと表面的に見えるものだけが

男ではないと痛切に感じました。

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