運、不運はつきもの
先日、早朝から私のスマホが鳴りだしました。
電話を取りますと、沈痛な女性の声で○○ですと。
既述しておりますA銀行のエリア総合職の女性からでした。
「原油が暴落していて、お持ちの投資信託がかなり下落しています」
とのこと。
おおよそ原油相場が48~49ドルあたりで
その投資信託を購入しましたので
当初の入金金額よりも3割ほど下落しているようです。
昨年まではシェールオイル革命で、
その投資信託を購入した人はホクホクで
彼女も自信満々だったことは想像に難くありません。
けれどこれが相場であり、投資の難しさなのです。
「気にせんでよかよ、来年になれば上がるけん」と私は
返答しましたが、他のお客様にも同様の電話をしなければならない
彼女の事を思うと「ここでへこたれるな、更に相場の勉強をして
自分なりの芯を持て」と、応援したくなります。
次に新聞を見ていましたら、知人で私より少し年下の
上場企業の代表取締役社長のK氏の記事が掲載されていました。
社長に就任したばかりでしたが、黒字予想が一転大赤字になり
自分の月額報酬を50%カットするというものでした。
恐らくK氏の気持ちとしては
「前任者の責任なのに」のようなものが、少しはあるでしょう。
それでも、経営者となればそんなことは関係ないのです。
一倉定の有名な言葉である
「郵便ポストの赤いのも経営者の責任」なのです。
何事もそうですが、「運、不運はつきもの」です。
私は株式投資を始めて32年、会社を経営して28年。
振り返ると、いつもその事を強烈に感じます。
問題は、誰が見ても『不運』な時に、どのような行動を
取れるかです。
常に『善』を積むことを意識してさえいれば
「命」まで取られることはないし、その場を踏ん張り
正しいと確信しながら行動すれば『神風』も吹くものです。
一番簡単に『不運』から脱却するには
「愚痴を公にせず、自分の事として最善を尽くす」。
つまり、禅の言葉で言えば
『脚下照顧』(他に向かって理屈を言う前に、先ず自分の足元を見て
自分の事を反省すべき)に徹すればよいのです。