覚悟
たまに、起業に関する事や、店の独立の事で
相談を受けることがあります。
我が家の、二人の息子達が
一般的な会社を辞める時もそうでした。
私の回答は一貫して「脱サラは止めといたほうが良い」です。
ただ、自分自身がそのような行動をとっているのですから、
息子達には説得力に欠けます。
定期で送られてきます雑誌を見ていましたら、
私の原点に近いような料理人が出てきました。
独立したいと思う人への、応援メッセージと
「今月も2日しか休んでいない」と
猛烈に仕事をしている気になっている
二人の息子達に、下記の言葉をささげたいと思います。
かつて、世界一予約が取れないということで有名な
「エル・ブジ」というレストランが、バルセロナにありました。
そこで修業したいと思った徒手空拳の染川武司氏は、何度断られても
店の前に毎日来て最終的に料理長に「情熱」をかわれて
採用になります。
後に彼が知るのですが、そこには
毎年☆がつく世界のレストランから
5000人ほどの修行依頼がきていたそうです。
採用はそのうち25名。
店が閉まり後片付けをする頃には、空は白みかけています。
片付けが終了した後で、その日に、先輩から盗み学んだ内容を
徹底的に頭に叩き込む。レシピなど誰も教えてくれません。
次の年に残れるのは、ほんの数名という
過酷な競争が毎日続けられるのです。
そして、無給の時代が終わり、2年目から
僅かばかりの給与を手にすることができます。
「辛いとか、大変だとか考える暇さえなかった」
競争を勝ち抜いた後に、彼は自分の店(共同経営)を持ちます。
名は、『ドス・バリージョス』。
「二本の箸」という意味で、アジアとスペインの
両方の持ち味を生かしているそうです。
これが、「起業する」こと、「独立する」ことなのです。