理想のライフスタイル
9月6日(水)の書道教室終了後、教室近くのいつものバス停で、博多駅行バスを待っていました。
到着時刻の5分ほど前にそこへ行ったのですが、バスが来る気配がありません。
そんな中、突然にわか雨に見舞われました。
大したひどさでもないし、後数分もすればバスも来るだろうからと、濡れるままでいました。
すると、銀髪の80代くらいの老人が、小さなキャリーバックから傘を取り出し、私にも差しかけてくれたのです。
生まれて初めて、他人から傘を差しかけられました。
小さな折りたたみ傘でしたので、その老人も少し濡れます。
「すみません、私は大丈夫ですから、濡れないようにしてください」と断ると、「直ぐバスは来るから気にしないでください」。
そこまで言われて、断る理由はありません。そこで私は、「今からどちらへ行かれるのですか?」と尋ねると、
このバス停二つ先の西新の喫茶店へ行き、好きな本を読むという事でした。
このような所作が普通にできるひとは、只者ではありません。
とても嬉しくなり、自分の将来の理想の姿を見た気になりました。
城南区役所北のバス停で降り、いつもは乗り換えのバス停である中村学園前まで歩くのですが、そのバス停にも屋根がありません。
僅かな時間思案した後、一つ前にある別府2丁目バス停へ走って行くことにしました。
そこで待っていると、白い杖を持った目が不自由な女性が、そのバス停を行ったり来たりしながら、バスが停まるたびに行先の番号に耳を傾けていました。
それを見ていた私は、「何番に乗られるのですか」と問うと「204番か19番」という返事。
時刻表を見て、「後10分くらいできますよ」と答え、その数分後に来た茶山行のバスに私は乗り込みました。
バスを降りる頃には、すっかりにわか雨もやみ、西の方から太陽が顔を覗かせ始めていました。