リアル店舗の安心感
ネットワーク環境の進展により、リアル店舗の閉鎖が現実味を帯びています。
2輪業界が良いのは、このリアル店舗がないと、商品の質感や乗り心地等が味わえないことに加え、修理をユーザー自身では出来ない構造になっていることです。
必然的に店に立ち寄る時間が長くなります。
そのお客様を満足させるには、「居心地」の良さを追求すればかなりの高得点に繋がります。
メーカーの専門店化が進み価格競争も起こり難くなっています。
一方、日本の銀行に目を向けると、社員や店舗を積極的に減らしています。
某メガバンクなどは、店頭での手数料等を大幅に上げ、極論すれば富裕層以外は相手にしない方針を着々と進めています。
しかし、銀行を利用する側からすると、直ぐ近くに取引銀行がある安心感は重要な要素なのです。
些末な振り込み等はネットで十分だと思いますが、何か本気で相談する事案が発生した場合は、店舗に足を運びface to faceで解決を望むものなのです。
米国で相次いで銀行が潰れています。
一方、引き出されたお金はJPモルガン銀行に預金として積み上がっています。
1強が加速しているそうです。
フィンテックが声高に叫ばれ、銀行の価値は未来には無くなると言われているにも拘らず、この銀行は更に力をつけています。
この銀行の消費者部門統括者の言葉が新聞記事に掲載されていました。
私は実体験から非常に納得感を持ちました。
「米国の人口の7割が、10分運転すればJPモルガンの銀行に行けることを目標とする」
護送船団方式と言われ続けた銀行。横並び意識は半端ないでしょう。
特に地銀にはその傾向を感じます。
今こそ、他行とは反対の行動、つまりリアル店舗を増やすことです。
解散価値を下回るPBR1倍割れの地銀だらけです。
エリア戦略を見直し、M&A仕掛けるべきだと思います。
残りものに福があるのは、既に衰退し成熟している2輪業界がしっかりと示しています。