最後のチャンス
今後も少子高齢化に伴う人手不足、最低賃金の上昇、働き方改革による時短等は続いていく可能性があります。
中小企業にとっては全てコスト上昇要因です。
それを吸収するためには、売り上げや利益を今まで以上に上げる、一言で言えば生産性をあげる以外は道はありません。
このことは再三述べてきました。
では、我々二輪業界で生産性をあげる一番の近道は何でしょうか。
一番簡単なのは、「価格をあげる」ことです。
つまり値引きを止めるか、少なくすることなのです。
新車の販売を考察します。
値引きなしで販売しても利益は10%前後しかありません。
それを多くの販売店は、今までは5~8%も値引きしていたのです。
経営が成り立たないのは、中学生でも理解できるでしょう。
利益が無い店に優秀な人材が集まるはずもありません。
結果、二輪業界は廃れる一方です。
シェア争いに明け暮れるメーカーの責任が大ですが、それを言っても始まりません。
1台1台を適正な利潤で販売してこそ、社員の待遇もよくなり、気持ちよく働けばお客様へのサービスにも力が入るのです。
私は各店の店長に、価格をとことん値切ろうとする人は相手にするなと言っています。
時間の無駄だし、気持ちよく完結しないのと、他の人との公平感に欠けるからです。
価格でしか勝負できない土俵に立たされている、自分の店を反省するのが本筋だと思います。
そんなことを思いながら、もうすぐ廃刊になるバイクの中古車雑誌を見ていました。
すると2/3ページを割いて意見広告している店が有りました。
内容はみんなでもう安売り合戦は止めましょうというもの。
この数年は、次世代に繋いでいくためにも、もっと魅力ある二輪業界にすべき最後のチャンスのような気がします。