偉大な企業
2023年3月13日(月)17時58分読了。
日経BP出版 「ビジョナリーカンパニー ZERO」ジムコリンズ・ビルラジアー共著
サブタイトルが「偉大な企業を作る『地図』を手に入れよう」。
私は、翻訳本を滅多に読みません。言葉の言い回しがよく理解できないことが多いからです。
それに一般的には価格も高い。日本の著者でも優秀な人はいると考えるのです。
読了には大変骨が折れました。小さな文字でページ数も多い。且つ日本語訳の微妙な感覚もありました。
大変だった分真剣さが増したのでしょうか、物心ついてから今まで既読したすべての本の中で一番赤鉛筆の線を引いた箇所が多かったのです。
本気で自分の会社を「偉大な企業」にしたいと考えている経営者には大変お勧めの本です。
内容的には、私が今まで読んだ経営書の内容とほとんど同じものでした。
結論から言うと、国内外を問わず、会社にはビジョン「コアバリュー『社是』・パーパス『経営理念』・ミッション『目標』」が一番重要である。
更にそれを確実に実行する『人材』が必要というもの。
改めて合点したことがあります。
偉大な企業はどこも、組織を小さなものに分割させながら全体を成長させているというもの。
これは、京セラのアメーバ経営に当たります。
その組織では、信頼できる人物に一つの小さな会社として殆ど自由に経営を任せている。
私の多店舗展開の着想に間違いはなかったと確信しました。
人は誰でも機会を与えられれば、それに応えようとする。という性善説に立っているのです。
また、優れた人材は優れた人材を引き寄せ、それが更に優れた人材を呼び込むという事も納得感がありました。
この優秀な人材の定義も私と同じものでした。
学歴や生い立ち等は良ければそれに越したことはないのですが、それ以上に自分の会社が大切にしていることに賛同・共感できるか、自分の会社の原理原則を受け入れることが出来るかが評価基準となるという点です。
これは夫婦円満の秘訣と同じで「価値観が合う」という点が必須なのです。
人の採用で困っている会社は、採用の費用やノウハウの前に、その経営者の人格形成や会社を少しでも良くすることに注力することが近道だと気付くべきです。
また、自戒すべき点も書いてありました。
「企業の進化のプロセスでの大きな皮肉は、あらゆる企業は誕生する時点では非常にイノベーティブなのに、成長し歳月を重ねるなかで、イノベーティブな能力を失っていく」