一転して
私は30年以上同じ床屋さんに通っています。
現在72歳同士の夫婦で経営をされています。
この30年間に彼と息子さんがそれぞれバイクも買ってくれました。
1時間強の時間で各種の世間話が面白くて元気にもなります。
先日行くと、店主が困った顔をして、「今日はカットだけでいいですか?」と。
理由は、奥様が最近心臓病が悪化して緊急入院し、一人では色んなことが出来なくなったとのこと。
詳細な話を聞くと、危ない状況が続いており、自分が何時までも働かせたことが原因かもと、かなり責任を感じ落ち込んでおられました。
私は、経営上と生活上の負債等を聞きました。すると、借金は一切ないとのこと。
ただ自分も最近腰が痛くて立つのがとても辛いとのこと。
「私が言うのもおこがましいですが、これを機に夫婦共に引退されたらどうですか。人生はまだまだ長いと思いますよ」とわたし。
「息子達からも同じように言われました。でも、私はこの仕事を辞めたら何をしてよいかわからないのです」
そこで私は、自分の経験を話しました。何をするべきか1年以上考えたこと。そして見つかり、今実践をしているとの内容です。
実践して何か違うと感じ始めたら、また考えればよいくらいの感覚ですと。
昨年伺った頃は、「私たちは二人で仕事が出来て収入も有り幸せ」と奥様までもが言われていたことが嘘のようです。
健康を損なったら、一瞬にして全てが変わります。
この床屋を最後まで見届けようとも思いました。