まだまだ知らない世界

 私が「勿体ない」をしばしば口にするので、魔ダムが「そんな節約ばかりだと人生面白くない」と。

すかさず私が、「それを積み重ねてきたので今がある」と言うと、「それでもねえ?」

しかし魔ダムとの価値観はほとんど一緒なので、彼女は大体私に従います。

 毎日入浴を欠かさないのですが、180リットルのお湯をそのまま捨てるのはもったいないと言い出したのは、魔ダム。10リットル前後のポリバケツを3個用意し、それらに捨て去る水を入れ、最小限の残り水で風呂掃除。

ポリバケツの水は、私が毎日庭の花や木に柄杓でかけています。

 お皿や箸やフォークも、なるだけ数を少なくして、同じもので使用頻度を上げるように。

コーヒー豆の搾りかすも、庭の土に還しています。

衣類はなるだけ綿などの素材にして、破れたらはさみで切り、弊社グループ工場のウェスに使用。

お店では殆どが暑い時にはエアコンの温度を23度くらいに設定しています。私は行った度にこっそりと26度に上げるのです。お客様に立場に立てばすぐにわかります。

30度を超えた外から中に入るのです。26度でもかなり冷えを感じます。23度はスタッフの感覚でしか考えていないのです。

 これらの行動は、創業時にキャッシング機能がついていない、殆どの人が審査に落ちないと言われるデパートのカードに落選した悔しさが根底にあります。

先ずは普通の人と同じように、せめてキャッシング機能付きのクレジットカードを持ちたいという夢が芽生えたのです。

 普通のクレカが持てたのは、落選後4~5年経った頃でした。

それから10年でゴールド、更に10年で法人カードもプラチナに変わり、最近では取引銀行から個人用のプラチナカードを作って欲しいと依頼がありました。何と年会費は毎年銀行が持つとのこと。

更に年に1回は結婚記念日に5000円相当の記念品までくれると。

私はただただ使用してくれればよいとのことでした。

ここに、カードのリベンジを果たしたと感じました。落選から35年長かったなあ。

 ところが知らない世界がありました。

最高級クレジットカードを「ラグジュアリーカード」と呼ぶそうです。

このカードの中でも最高なものが「Mastercard Black Diamond」。

このカードの券面には天然ダイヤモンドが埋め込まれています。

入会金が110万円で、年会費が66万円。

 驚いたことに、ユーザーからの要望でこのカードはできたそうです。

一体どんな人が持てるのか?

大抵は30代の新興会社経営者とのこと。

 こんな青瓢箪の奴らには負けたくないなと、またまた活力が湧いてきました。

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