慣れの怖さ
十分休養をとったせいか、昨日には熱も平熱に戻り、体調もすこぶるよくなりました。
やはり、異物を体内に入れるということは、予防といえども身体には良くないのでしょう。
悶々とした時間を過ごすうちに、息子や店長達に経営の原点を再度教えなければという思いが強くなりました。
現在のところ、若い息子や店長達に経営を全面的に任せていて、結果はついてきています。
私では成しとげえなかった業績も達成しています。
だからこそ、私には怖さがあるのです。
基本的に35年の経営を通じて、上手くいったなあということはほとんどありませんでした。
運よく難局を乗り越えれたという感触が一番強いのです。
業種によって違うかもしれませんが、我々二輪業界では、ほとんどの会社が「人に任せる」ということが出来ません。そこを苦労しながら実践してきたので、我々グループの今があります。
しかし、この「任せる」は両刃の剣なのです。
一つだけの店舗を経営する場合、悪い兆候はダイレクトに経営者に伝わります。
ところが、人に任せた店舗では、その感覚がずれていたり遅れたりします。
特に我々の二輪業界では、スタッフの士気の高さが何より必要な現場なのです。
この「社員の士気の高さ」は、任せっ放しでは感じることはできません。
業績が良いと、ついつい甘えが生じてくるのは已むを得ません。
しかし、そのような時にこそ、経営者や店長は現場を訪れるべきです。
そこで、些細な事でもよいので、注意深く『緩み』を探さなくてはなりません。
且つ、スタッフの士気を上げる、つまり熱量を上げる具体的な行動も必要です。
経営と現場が乖離する怖さは、知ってからでは遅い気がします。