因果具時
「いんがぐじ」と呼ぶ仏教用語です。
意味は、『現在の自分は、過去の積み重ねの中にあり、将来の自分は今、現在の行動の延長にある』
徒手空拳で創業し、大きな成功を収めたドトールコーヒーの鳥羽博道氏が好んで使用する言葉です。
未来を良くしようと思えば、一分一秒も疎かに過ごせないという戒めなのです。
資本金30万円で、8畳一間に二人の仲間と始めたコーヒー豆の輸入卸の会社が原点です。
お金も後ろ盾もなく、コーヒーの豆の品質も高くない、あるのは「夢と情熱」だけ。
当然、常に潰れる恐怖と戦っていくわけですが、ある時に「明日潰れてもいい」と開き直り、『今日一日朝から晩まで体が続く限り働く』と目覚めます。
これは私の体験でもあるのですが、一日をわき目も降らずに毎日一生懸命に生きていると、誰かが見ていて何らかの手助けがあったりするのです。
これを運というのかどうかはわかりませんが、不思議とある時期からいろんなことが好転したりします。
誤解のないように繰り返しますが、一日中必死にかつ猛烈に仕事をする、これを何か月も続けるということが前提です。
鳥羽氏も無理がたたって入院することになりますが、その時ですら、経営の先輩に「まだまだ」と言われています。
私もぶっ倒れるまでに8か月間ぶっ通しで仕事をしました。
考えてみれば、そのような自分に文句ひとつ言わずに、子育てを一生懸命にこなしていた妻には大きな借りがあることに最近気づきました。