守破離
次男坊家族と、コロナ後に久し振りに居酒屋に行きました。
この店は、次男坊の友人が息子として親と一緒にやっています。
当日店に行くと息子はいなくて、次男に聞くと、父親と経営方針が合わずに店を出たようでした。
巷に良くある話ではあります。
しかし、知り合いであるだけに気がかりでもあります。
父親と息子の双方の意見を聞いていないので、私には何とも言えませんが、こういうパターンの場合は、大体において息子に非があります。
是非跡を継ぐ人に肝に銘じて欲しいのは「守破離」です。
これは、剣道や茶道などで修学における段階を示したものです。
「守」は、先人の教えを守る
「破」は、基本が習得出来たらその型を破る
「離」は、最終的には次第に発展させ、今までの型から離れて自分独自のスタイルを確立する
一番辛くて長い期間が掛かるのが『守』なのです。
この期間を耐えてこそ、次のステップに進めます。
先人や同業者の真似を徹底して、自分のものにするには、かなりの期間と集中力が必要です。
そこを経ずして、自分の考えややり方が正しいと誤解して、「守」を疎かにしては、何もできなくなります。
折角、先代がお店のブランドや優良顧客を守ってきたのです。
先ずは後継者たるもの、そのことに心から「感謝」することから始まります。
その基本的な心情の元、徹底的に先代の教えを実行していくのです。
その過程で自分の考えと違う場面があろうとも、先ずは先代の真似が最優先。
5~6年経ち、真似がほとんど出来るようになった段階で、どうしても自分の考えと先代の考えに違いがある場合は何とか先代を説得する事。
もし先代が納得しなければ、それは、自分の理論に足りないものがある場合が多いと自覚して、その溝を埋める努力を続ける事。
一番残念なことは、考えが違うといって、その修行を止めることです。
一見非合理に見えて、やはり20~30年の蓄積から出た先代の言動は重い。