信頼とは
最近ある取引先の社長から、「どうして1億円を超える店の全権を他人である店長に任せたり、会社全体を息子さん達に任せて平気でいられるのですか?」と問われました。
その社長の知っているいろんな会社でも、創業者が口では子供に任せると言いながら、いろんな場面で口出しをして社内に混乱を招いているとのこと。
私の答えは、「任せると言ったら100%信頼して任せる。それが出来ないなら自分以外の人には任せない。つまり『100』か『0』しかない」です。
これは、私の経営に関する師匠である二人から教わった言葉なのです。
彼等から重ねて言われたのが、もし信頼していた人物に裏切られたら「自分の見る目が無かった」と思うしかないと。
私が創業して30余年、大きく裏切られたことは無い気がします。
「信頼」と一口に言っても抽象的で、実際の行動ともなると躊躇するものです。
その時には哲学者である和辻哲郎の言葉を思い出すと良いでしょう。
「人が信頼に値する能力を持つことを前提にして、いきなり彼を信じる。それが、他への信頼である。信頼は冒険であり、賭けでもある」
信頼した店長達と息子達のお陰で、私が成しえなかったグループ売上高10億円を、早々と達成したのですから、「私の見る目」は間違っていなかったことになり、気持ちが随分楽になりました。