大きな視点
2000年以降の約20年間で、日本の消費者物価指数は2.6%しか上がっていません。
同期間の米国は54%、ユーロ圏は40%、英国は51%上昇しているとのこと。
コロナ前にインバウンドが盛んにもてはやされました。
日本人は殆どが、日本は見直されたとか、日本製が素晴らしいとか、思っていたものです。
しかし実態は、単に物やサービスの価格が世界の先進国に比べて、極端に安かっただけとも言えるのです。
最近最低賃金が大幅にアップしました。
今年の10月から施行されます。
中小企業やメディアの中には、このコロナ禍の大変な時に賃金を上げる事への批判もかなりあります。
私は、数年先の日本を考えると、絶対に上げるべきだと思います。
今の日本人は、余りに安さに慣れ過ぎです。
井の中の蛙であることが、早晩証明されることでしょう。
私が結婚した頃、海外旅行は一生に一度という雰囲気があり、無理して新婚旅行をハワイにしたものです。
このままの日本経済を考えると、その時代に逆戻りする可能性があります。
何故こうなったのか?
本来は、駄目な企業は市場から淘汰され、生き残った企業に利益が積み重なり、その利益からまた新しい産業が勃興するのが、正しいサイクルです。
しかし、票が欲しい政府の過剰な保護政策でゾンビ企業が生き残り、価格競争に陥っているのです。
昔から、私はこの2輪業界を不思議に思っていました。
新車のマージンは10数パーセントしかないのに、1割引きとかを平気で行うのです
お客様は100万円も支払ったという感覚、こちらは売上高は100万円でも新車の利益は5万円の感覚。
殆どの業界が同じようなことをしていたのです。
きちんと対価としての利益を取り、それを従業員の賃金や休暇に当て、ライフワークバランスをしっかりとることが、今後経営者の使命だと考えています。