目を見張る
先日、私が学生時代から知っている男性が、福岡へ出張できたので自宅へ寄っていいですかと。
彼は、私や魔ダムのテニスのアルバイトのコーチでした。
物おじしない、ちょっととがった性格が私は気に入り、彼へサラリーマン心得や人生の心得を伝授。
一般的には、誰とも知らない私のような者の話など、若者にとっては迷惑千万。
ところが彼の良い所は、素直に聞き、直ぐに実行する事。
一流大学出ではない、テニスだけで就職できたと自負する彼へ、昇進の極意を述べました。
先ず名前を覚えてもらうにはどうするかを考えろ。次に振られた仕事は断らずにすべて受けろ。
日本の企業の99.7%は中小企業で、その親父(社長)連中に気に入られるのは、高学歴とかではなく、「腰の軽い御用聞き」etc.
これらのことを教えた記憶があります。
彼の近況を聞くと、入社8年目にしてトップグループで、最近課長代理に昇格したと名刺をくれました。
「円高、円安が理解できなくて、社内試験も1度落ちた自分が信じられない」と語っていました。
しかし、真面目に勉強に取り組んだのでしょう。それ以降の話においては、私とそこそこ互角に話をするのです。
話が長くなって、一緒に夕食を食べることに。午後6時半を過ぎていたので、私の行きつけへは行けません。
長男も加わり4人でロイヤルホストへ。
「何でも好きなものを食ってよい」との答えに選んだものが、我々のものより安価なものでした。
そこで私が「ここの定番のオニオングラタンスープが美味しいよ」と追加してあげました。
清算が終わって店を出る時に、彼はすかさず小走りで我々の前へ行き、ドアを開けました。
帰りの車の中で長男が「お父さんが好きなタイプだね」と一言。
すかさず私は息子に、「そう思うなら、お前も接待等で自然と同じような行動がとれるように訓練しろ」。
周りの九大や有名大学卒をしり目に、彼が出世すると思えるのは、私自身がサラリーマンも経験した中小企業の親父だからです。
彼が課長になったら、私の行きつけに招待したいと考えています。
目に掛けた人物が成長する喜びを感じた一日でした。