手元流動性
私が息子達に、経営の指標で常に気を配らなければならないのは、フリーキャッシュフローだと言ってきました。
これは営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計です。
思い切った投資の時は別ですが、それ以外の日常であれば、この数字がプラスになっていたら倒産の心配はないからです。
損益計算書しか見なくて、黒字倒産が頻発する中小企業ではこの数字が一番です。
但しこの指標は、通常の経済環境下での話です。
もっと緩いものであれば、当座比率や流動比率があります。
私は30数年の経営で、この3つと自己資本比率を徹底して見てきました。
ところが、今回の新型コロナウィルスは、流石に100年に一度の経済環境の変化です。
より厳しい『手元流動性比率』を注視しなければならなくなりました。
「手元流動性」=現金+預金+一年以内に現金化できる証券等
「手元流動性比率」=手元流動性÷月商
分かりやすく言えば、売り上げが「0」の状態が続いた場合、何ヶ月間持ちこたえられるかの指標なのです。
財務省の法人企業統計によりますと、平均が「1.9」。
つまり、大抵の企業は売上「0」が続けば2ヶ月弱で倒産するという事です。
6月、7月は要注意月ということになるのです。