少しわかりかけてきた
毎日、日経新聞の朝刊が来るのが楽しみになったのは
20年振りくらいです。
直木賞作家の渡辺淳一の「失楽園」の連載以来です。
興奮しながらこっそりと何回も読み直していたことを思い出します。
最終ページの「私の履歴書」が現在は作詞家、音楽評論家の
『湯川れいこ』さんです。
1936年1月22日生まれの現在81歳。
高校卒業当時の描写に思わず食い入ります。
終戦直後で、男に辱めを受けるくらいなら死を選ぶという時代です。
実際彼女は短刀を使用して、母親から自害の方法も伝授されました。
このような時代背景のもと、真面目が取り柄の許嫁がいながら
ジャズ喫茶で、初めて会った自由奔放な男性からいきなり唇を奪われ
恋にのめり込んでいくのです。
母親に嘘をつき、彼に会おうとするときに
『ためらいがなかったわけではない』。
初めて唇を奪われて、茫然としている時に
明日の○○時にまたここに来るようにとその男性に言われ
『少し危険な匂いと、ときめきがあった』
薄暗いジャズ喫茶でソファーに二人で腰掛けて、
『私は黙って直也の肩に自分の顔を預け』
いや~~いいですね、実にいい。
最近の薄っぺらい表現の週刊誌ネタの「不倫」とは趣が違います。
「ロマンスと情熱と淫靡と背徳」
興味があったので、「湯川れいこ」をネットで調べると
結局は真面目な許嫁と結婚しています。年上の彼はこの事実を知り
涙を流しながらも一緒になる決断を下すのです。
男と女の心理が、少しわかったような気がしました。
魔ダムに一通り解説しますと
「ふ~~ん、許嫁と恋人の二人ともが現在死んでしまったから書いたんだろうね」
・・・・・・!?。