五事を正す
ある雑誌を見ていましたら、経営者の心得として
基本的な人の道を説いたものがありました。
脱サラして、家族を食べさせるだけで必死に仕事をしてきて
周りの倒産する悲劇を目のあたりにしていますと
何時の間にか「ビジネスは戦争だ」と思うようになりました。
戦争ですから、当然いろんなことが許されると
ついつい思いがちになります。
ところが不思議なもので、人の道を大きく外れてしまうと
更に倒産に近づくのです。
「中江藤樹」は滋賀県出身の江戸時代の陽明学者です。
彼は大きく4つの事を説いています。
『致良知、孝行、知行合一、五事を正す』です。
このうち「孝行」と「知行合一」は常に心掛けている事なので
自信もあるのですが、私なりの解釈である
『生まれながらにある素直な澄んだ心』である「良知」には
程遠いと感じました。
では、その境地に近づくにはどうすればよいか?
ここで「五事を正す」が出てきます。
五事とは、『貌(ぼう)、言、視、聴、思』のこと。
1.和やかな顔つきをする
2.思いやりのある言葉で話す
3.濁りのある目や偏見で物事を見ない
4.よく人の話を聴く
5.相手の立場になって思いやる
経営者に限らず、心身の鍛錬は日々の積み重ねからくるようです。