他人資本

経営を長く続けていますと、自然と各種指標を注視してきます。

創業当初の頃は、PLが中心で如何に売り上げがあがり

粗利益を稼いだかを追います。

 

増収増益を続けていくと資金繰りが大変になりだします。

そうするとBSの流動比率とキャッシュフロー計算書の指標を

確認しだします。

 

ここを通過すると、借入金に目が向くようになり

BSの自己資本率を見るようになります。

自己資本率が40%を超えてくると次には

BSの現預金の絶対額の売上高に対する比率を見ます。

 

必死に経営を勉強し、現場も努力を続けていれば

このラインまでは到達できます。

そのまま継続していけば、自然と借入金は減り

無借金企業の仲間入りです。

 

問題はここからです。ここに来るまで相当の苦労があり

且つ経営者も年月を重ねています。

一般的には、無借金にしてホッとしたいというのが本音で、

大半の中小企業経営者がここでハッピーリタイア。

 

狭い視野ならそれでもよいでしょう。

しかし、今の日本の経済環境をじっくり考えてみましょう。

日本で初めての「マイナス金利」なのです。

 

殆んど利息が付かない『他人資本』を有効活用すれば

我々のような成熟衰退産業を本業としていても

新たな起業、所謂ベンチャーも可能なのです。

ベンチャーとは何もIT関連だけではありません。

 

7月27日に新たな会社を設立しました。

取引銀行ともよく話し合い、1度の借金(他人資本)では、

最大の金額を借り入れることにしました。

5年後の福岡を見据えた私の予見が正しければ

今までとは違う山から、風景を見ることができると思います。

 

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