スピード感が違う
数日前に、日産が三菱自動車の株式の34%を買い取るとの
報道がなされました。
この34%というのが肝で、2000億円ちょっとで、
株主総会での特別決議に拒否権を行使できます。
特別決議とは、定款変更・取締役の解任・会社の解散・合併等に
関する決議の事です。
私は三菱自動車は、今回の件で倒産(会社更生法)すると
思っていました。
強力に支えていた、三菱商事は資源安で赤字になったし
三菱重工は不振の造船部門がお荷物だったりと
グループ内にも余力がなくなっていたからです。
燃費不正の記者会見後約2週間で決断した
日産のゴーン社長には感服しました。
オーナー企業以外にこれほどのリスクを取りながら
これほどの金額の投資を実行できる会社はないと思います。
雇われ社長は、視線が短期になり、上手く行かなかった場合を
考え過ぎて判断を遅らせます。
上手く行った場合は、一気に世界一が狙える位置になる方に
彼は掛けたのです。
今回の案件は、上手く行くと思います。
理由は、シャープ等と違って優秀な人材流出が起こっていないことと
販売地域が限られる軽自動車が対象だからです。
経営者として、非常に参考になる事案でした。