何がそうさせたのか?

既述しています、倒産したと思われる

バイクショップDの経営者に関する情報が

11月5日付西日本新聞朝刊で報道されました。

 

衝撃的でしたのは、「業務上横領容疑」で逮捕との内容。

「預けたハーレーが戻ってこない」との訴えが

県外在住者を含め約100件寄せられているとのこと。

 

北九州市八幡西区にある元トヨタのデイラー跡地のその店は、

私にとって憧れるほどの店舗でした。

敷地が500坪前後で建物は平屋で約200坪。

当然交通の要衝に立地。

 

ほとんど、ハーレー専門でピーク時は

従業員(パート含む)15人ほどで年商8億円を望むほどでした。

何故この店がこのような結末を迎えたのか?

振り返りますと、そこには経済小説以上の波乱の歴史がありました。

 

この店は逮捕されたU氏になるまでに、

二人の経営者が存在します。

最初は、M氏で彼は私と同じ年で当時ホンダのディ-ラーとして

北部九州のトップ級の売上高を誇っていました。

 

彼は、私が店をオープンした時に、喫茶店併設のバイクショップは

珍しいと、わざわざ八幡から訪問してくれました。

とても良い人ですぐに気が合い、当時始まったばかりの

バイクオークションの参加を勧めてくれたり

バイク業界のイロハを私に教えてくれました。

 

そこの一番古い従業員が今回のU氏でした。

M氏は業績が拡大すると共に、ハーレーを扱うようになり

当時バイクユーザーであったT氏に勧められて

手狭な古い店から、今回の舞台である店に移転。

 

ところが、移転費用や内外装費用、仕入れ等に

かなりの借り入れが発生し、その上急激に売上高が上がり

黒字でありながら資金ショートを引き起こします。

 

そこに、先ほど登場するT氏がM氏にお金を貸します。

その後そのT氏とU氏が実権を握り

M氏は会社を出て行くことに。

 

その噂を聞きつけ、私はすぐにお世話になったM氏の

自宅に行きました。詳細は語らなかったM氏ですが

恐らく、お金の貸し借りでトラブルが発生したのでしょう。

そこで私は、

「弁護士と税理士を入れてでも、あなた個人の全ての債務が

ゼロになるようにすることが重要」とアドバイスしました。

 

M氏が出された後にその店は、T氏が会長にU氏が社長に就任。

数年後、そのT氏は金融取引法違反で逮捕され、

今回のU氏へと繋がります。

 

M氏はやはり人間性が良かったために、

当時のM氏のバイクユーザーであった社長さんが

自分の会社の倉庫の一部を提供してくれて、

現在でも、それまでに縁のあったユーザーと共に

しっかり経営をされています。

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