作業者になるな、整備士になれ
我々二輪業界の整備士の地位は、もっと認められるべきとの
思いを昔から持っていたことは既述しました。
実際、二輪の場合は、僅かの誤差で
人命に拘わる整備も少なくありません。
非常にコンパクトでその割には高出力という
芸術性にも富んだ機械商品であるバイクの整備は
かなりの集中力と経験と手先の器用さを必要とします。
女性のお客様が、自分のバイクを完璧に修理する整備士の姿を見て
恋に落ちることもたまにあるくらいです。
その事をきっかけに結婚に至った整備士もいます。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ました。
高校卒業後JALの整備士になり、今では一人しかいない
「トップ マイスター」の話でした。
その彼が、先輩から叩き込まれ、自分自身も
後輩を指導する時の指針が標記
「作業者になるな、整備士になれ」という言葉です。
壊れた所の部品を変えるだけでは作業者です。
それがなぜ壊れたのか、原因を追究し、部品を交換後は
その事による全体のパフォーマンス向上と安全性まで
考えることが整備士。
二輪新車の販売台数は漸減しています。
しかし、保有台数はほとんど減っていません。
消費税が10%になれば、一気に個人売買が増えるでしょう。
このような環境を考えれば考えるほど
優秀な整備士の有無が店舗の浮沈に影響を及ぼすと思います。