何か違う
私は今まで61年生きてきて、生まれた場所を1ヶ所と数えると
14ヶ所住居を変えています。
地域別には、宮崎、熊本、長崎、兵庫、東京、福岡と
1都5県にまたがります。
良く考えますと、今の住居は異常に長い17年目を
迎えていました。
「社長のための経営ハンドブック」を読み進めていた
ある天気の良い昼下がりに、どうしても内容が面白くなく
ふと庭に出ました。
防犯用に敷き詰めた砕いた砂利の上を、
下駄でゆっくりジャッ、ジャッと踏みしめて
家の周りを1周しました。
北側の白梅と紅いボケ、その根元近辺に塊となった白い水仙達。
西側の紅梅と根元の黄色い水仙達。
南にまわると白と紫色のクリスマスローズ達。
東の小さな黄色と赤いビオラ。
長袖をた繰り上げたその腕に、久し振りの陽光が
程よい暖かさを伝え、
思わず見上げた空は、何処までも青く澄んで
少しずつ芽吹いてきた若葉が良く映えていました。
ゆっくりと深呼吸をすると、身体中の邪気が
次第に薄くなる感じがしました。
今までに感じたことのない、心地よさと安堵感。
何なんだ、この感覚は?
あまりの心地よさに「はっ」とさせられました。
これで人生の上がりか?
私の心のどこかが「何か違う」と呟いています。
このお気に入りの住居が、あまりに快適過ぎ、
且つ長く住み過ぎたことに気づきました。
私の成長を阻害する居心地良さなのです。
こんな所で満足するわけにはいきません。
魔ダムには内緒で引越しを考え始めました。