準備だけはしておこう
2025年10月12日(日)20:02 読了。
「90歳 男のひとり暮らし」 阿刀田 高 著
この本は今年の10月1日に初めて本屋に並んだばかりの本です。
私より若い人々が読んでも何の役にも立たないし、お金の無駄使いになるでしょう。
この著者の本を若い頃よく読んでいました。
特にブラックユーモアとかが中心でしたが、文章が平易に見えて奥が深いわりに、言葉使い等が軽妙洒脱なのです。
短編小説の最高峰の気がしていました。
暫く忘れていた作家で、現在も執筆されていると知って、即購入しました。
サブタイトルもいいですね。「今日もまあまあ。それでいい。」
私が大好きな芸能人である、いい加減男の高田純次に似ている気がします。
これくらいの生活であれば、私にでも出来そうな気がしてきました。
また、後数年本を読み続けブログを書き続ければ、私でも1冊くらいの本は書けそうな気がしてきて勇気を貰えました。
割合としては、8割の確率で真ダムより私の方が先にあの世に行くことでしょう。
彼女の祖母は90歳越え、母親は100歳で鬼籍に入った家系ですから。
それでも2割くらいの確率で、私が一人取り残される可能性も捨てきれません。
そのことを想像すると、家事全般を彼女に頼りきりの私は、生きる術がないのです。
本屋で時間をつぶすときに、自然と「男の一人暮らし」とかの文言があると、ついその本を手に取っています。
最近事務所では、3LDKの全部の部屋を一人で掃除します。
同、風呂を入れて、入浴後の風呂掃除もします。
同、洗濯機で洗濯をして、衣類表示を確認して「乾太くん」の乾燥機に入れることもできるようになりました。
食事を作ることは全然できませんし、やろうとも思わないのですが、食器洗いや後片付けは出来るようになりました。
少しずつ色んなことができるようになっても、私はやはり一人は寂しいと感じてしまいます。
彼が90歳にして分かったこと。
「自らの本性に近い仕事を見出し、それを全うするのが適切」と、「読書は安いとしみじみ思う」
「多少の苦労は当然のこと、結果としてひたすら運が良かった。小説家なんて運がよくなければなかなか恵まれない職業」
井上ひさし氏から彼への助言には納得感がありました。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、書くのが良い。」
流石に著名な作家であるがゆえにオブラートで包んだ表現になっていて残念な箇所がありました。
私なりに彼の本音を意訳すると、「男は何歳になってもスケベである。それが長寿の秘訣」
行間を読むと、「エロビデオ」をどこかの奥にしまっている。
とても親近感を覚える爺さんでした。
私も好々爺(こうこうや・・・気のいいお爺さん、善意に溢れた老人)になる気はさらさらありません。
しかし狒狒爺(ひひじじい・・・好色でいけすかない老人)になっても、誰も相手してくれなくなる気もします。
まあ明日のことは誰にも分かりませんが、少しずつでも準備はしておこうと考えています。
