早めの対応
厚生労働省の推計では、2025年時点での認知症患者数が471万6000人、軽度認知障害(MCI)患者数が564万3000人となっています。
その約1000万人の金融資産は、およそ200兆円と考えられているようです。
認知症と診断されると、銀行口座が凍結され出金等が出来なくなる恐れもあります。
私は岳父が亡くなった時に、相続と不動産処理の大変さを経験しました。
そして、両親が熊本の震災を経て、こちらのホームへ入居するための処理にも苦労を重ねました。
共通して行ったことは、「墓じまい」と「銀行の一本化及び届出印の一本化」「本籍地の移動」。
岳父は株式はなかったので証券関係は何事もなく済みました。
しかし、ほとんど境界も分からない、いくつかの土地の処分は困難を窮めました。
一方、両親の場合は、まだ認知が進んでいない時に株式を全て売却させ、実家の土地も売却して現金化し、私の取引銀行に口座をつくらせ一本化して、私がチェックできる態勢を整えました。
岳父の実家の土地は、色んな瑕疵があったので、専門家に委託して売却。
両親の実家は、私が隣人と交渉し、弊社グループの弁護士に不動産取引契約書を作成してもらい、個人で取引を終わらせました。
このように今となっては、対処の方法の基礎を勉強し、貴重な体験をさせてもらって、非常に役に立ちました。
翻って私の番です。
息子達のレベルと私の投資の幅広さを考えると、とても彼等に対処できるとは思えません。
特に複数の証券口座に分けての株式投資がネックとなります。
今年の2月に日本証券業協会が発表した新制度があります。
「家族サポート証券口座」がそれです。
元気なうちに家族(原則として配偶者・子・孫)と公正証書による代理人契約を結ぶというもの。
また、金融機関にもあらかじめ代理人となる家族を届け出る「予約型代理人」を申請すればよいのです。
そこまで行うと、家族サポート証券口座なら、「売却」「解約」「新規投資」も行えます。
専門家のアドバイスは、(頼りになりそうな子供と任意後見契約を交わしておくこと)だそうです。
子供達にもう少し頑張ってもらわないと、ボケるにボケられません。
更に現状において私の場合困るのが「現・預金」がほとんど不足していることです。
相続で一番簡便で効率的なことは、一括して支払わなければならない相続税相当分を『現金で持っておく』ことだからです。
またデジタル財産には、今後注意が必要です。
IDやパスワードがなければ、いくら該当の会社に色んな請求をしても埒(らち)が明かないそうです。
特にサブスクリプションなどは、死亡も関係なく継続していきます。
相続に関するデジタル金融資産の中で私に関係するものは、上場株式と投資信託のみです。
上場株式は①相続開始日の終値、②相続開始日の属する月の終値の平均値、③前月の終値の平均値、④前々月の終値の平均値 の中で一番低いものが相続税評価となることを意識するべきです。
私の株価が上昇している場合は、私に管を付けてでも下がるまで待った方が得かもしれません。
投資信託は相続開始日に解約した金額が対象となります。
この文章を書きながら、背後で長男の息子に勉強をさせています。
少し甘やかされて育っています。
夏休みの宿題を、全部終わらせようとスパルタ教育です。
2時間以上させていたら、真ダムから可哀そうとの苦情。
勉強ばかりでは意味がありません。
正午頃、孫達4人を炎天下で走らせました。
3人が泣き出し「ジイジとは一緒にいたくない」と。
いいですね、自分の身内なので他人の批判は関係ありません。
好きなお菓子を買ってあげて、機嫌を取りながら夕方にも再度走らせるつもりです。
