ひたひたと
いつものように午前5時少し過ぎに目が覚めました。
足音やドアを開ける音がしないように、ゆっくりと一階へと降ります。
セコムの警報装置をオフにして、東側のブラインドを開けます。
洗面所でうがいをしてから台所へ向かい、浄水器から出てくる常温の水を、透き通った黄色の島津薩摩切子のロックグラスで一杯ゆっくりと喉に流し込みます。
じわっと胃の中を通り、身体全体に目覚めを呼び起こす感覚となります。
生協で購入したオレンジ色のサンダルをつっかけ、玄関を出て新聞を取りに行きます。
まだらな灰色の雲に覆われた空を見上げながら、暫くは雨は降りそうにもないと感じました。
朝のウォーキングは止めて、ボランティアのラグビーへ行くことを優先しようと。
腰や足首に大きな負荷がかかり過ぎる場合、ウォーキングさえも禁止されているので、どちらかのチョイスとなります。
ウォーキングを中止した分時間がありました。
その間、妙に身体のだるさが襲ってきたのです。
そう思えば、前日ウォーキングの後に、事務所への行き帰りに同程度の距離を歩いたことを思い出しました。
体への負担がかなり大きかったのでしょう。
遂に、ラグビーへ出かけることも断念。
西日本新聞を雨防止用のビニール袋を破り取り出しました。
一面トップの記事が「町の米穀店限界、廃業も」というタイトル。
私が住む直ぐ近くの米穀店のことが記事になっていました。
84年間営業を続けていたそうですが、仕入れるコメの値段が合わなくなって閉店。
精米機や低温倉庫などの設備投資も行っていたそうです。
卸業者からの仕入れ値の急激な上昇を、取引先に転嫁できなくて利益が出なくなったことが主因。
他人事とは思えませんでした。
我々グループは今年でたかが38年間の営業歴しかありません。
今後どのような環境変化が起こり、同じ轍を踏むかもしれません。
この店主の写真が掲載されていました。
いかにも「いい人」の感じです。
私ならどうしたか?
先ずは、仕入れ値が上がった分を取引先への価格に上乗せすることを検討します。
そうしないと経営の継続が出来ないことを、真摯に訴えるしか方法がない気がします。
そこでかなりの客離れが起きた場合のみ、閉店を考えるでしょう。
考えようによっては、中小企業で閉店を選べる会社はましな方です。
ほとんどが借金を抱えており、閉店どころか倒産の憂き目を見ることになります。
先が読めない現在、息子達よ一時も早く在庫を現金に換え、借り入れを増やさないこと。
現金残高を増やしながら、次への飛躍のためのチャンスを忍耐強く待つための1~2年になる気がします。
